2019年2月13日水曜日

ドパミン補充療法 ~パーキンソン病治療~


1960年代のレボドバ(L-ドバ)治療投与治療法の開始以来、運動症状を改善させる種々の薬物が開発・発見され、パーキンソン病は神経変性疾患の中では唯一効果的な治療の選択肢が多い疾患である。また、早期パーキンソン病と運動合併症の現れる進行期でも治療法は異なっている。

抗パーキンソン病薬には副作用があり、例えばレボドパは、長期服用によって運動合併症を引き起こす可能性がある。また多くの抗パーキンソン病薬治療下で、悪性症候群が起こりうる。幻覚や妄想の出現も主な合併症の一つである。


『レボドパ』
ドパミンの前駆物質であるドパ(レボドパ)を投与する。ドパミンを直接投与しないのは、ドパミンが血液脳関門を通過できない為である。ドパミン脱炭酸酵素阻害薬である『カルビドパ』または、『ベンセラジド』との合剤を用いる事が多い。

1960年代に臨床応用されて以来、薬物治療のゴールデンスタンダードであり、主に運動症状に対して極めて有効に働く。振戦の改善はその他の抗パーキンソン病薬に比べるとマイルドである。十分な薬の量の投与で、運動機能が長期間良好に維持され、クオリティー・オブ・ライフの大幅な改善や、生存期間の延長につながる。

日本ではレボドパ対する重量比で10%の『カルビドパ』が配合されたL-DOPA/カルビドパとして、『メネシット』や『ネオドパストン』とレボドパに対する重量比25%の『ベンセラジド』が配合されたL-DOPA/ベンセラジドとしてイーシードパールやマドパー、ネオドパゾールが知られており、L-DOPA/DCIと総称される。さらにL-DOPA/カルビドパ/エンタカポンとしてスタレボが知られている。

L-DOPA/DCIは、中枢刺激回数を出来るだけ均一にする意味において150㎎分3で開始する事が多く、維持量は300㎎分3から600㎎分3程度になる事が多い。導入時には患者が吐き気、眠気、体のだるさを訴える事がある。一般的にベンセラジド製剤の方がDCIの含有が多い為血中濃度のピークが上昇しやすく、導入時の副作用出現率がやや高い。しかし一日量300㎎程度の低用量ではベンセラジド製剤の方がカルビドパ製剤よりも優れた臨床効果を示す事がある。

発症早期のパーキンソン病において、レボドパは『ドパミンアゴニスト』(ドパミン受容体刺激薬)やモンアミン酸化酵素阻害薬(MAO阻害薬)と遜色がない効果を示す。長期にわたる服用により日内変動、オン・オフ現象(突然薬の効果が切れ体が動かなくなる)やウェアリング・オフ現象(内服直後や時間が経った時に突然薬の効果が切れる)、ジスキネジアといった副作用が表れる。

レボドパやドパミン受容体刺激薬を投与すると気持ち悪くなったり、吐き気がしたりする副作用が出る事が多いが、これに対する治療の制吐剤には、パーキンソニズムを悪化させるものが多い。従って、『メトクロプラミド』はこの用途には用いず、『ドンペリドン』を用いるのが一般的である。


パーキンソン病ケアプログラム