2019年3月26日火曜日

パーキンソン病の歴史


<パーキンソン病の歴史>

1817年にイングランドのジェームズ・パーキンソン氏により初めて報告された。ジェームズ氏は、現代でいうパーキンソン病の症状を呈した6の症例を振戦麻痺(shaking palsy)と言う名で紹介したが、記載した症状は寡動(かどう)・安静時振戦(あんせいじしんせん)・姿勢保持障害・前傾姿勢・小字症などで、筋強剛(きんきょうごう)については記載していない。

ジェームズ氏の報告は長い間評価されなかったが、1888年になってフランスのジャン・マルタン・シャルコーによって再評価された。シャルコー氏は筋強剛についても記載し、彼の提唱により本疾患は『パーキンソン病』と呼ばれるようになった。シャルコー氏が改名を提唱した理由は、本当の意味での麻痺は見られない為と、全ての患者に必ずしも振戦が見られるわけではない為であった。

パーキンソン病の病理に関しては、1913年にフレデリック・レビーが神経細胞内の封入体(レビー小体)を初めて記載、またロシアの神経病理学者コンスタンティン・トレティアコフは1919年、パーキンソン病の責任病変が中脳の黒質にあると発表した。

パーキンソン病の治療は19世紀末までにべラドンアルカロイドが効果のある事が分かり、20世紀に入ってスコポラミンによる治療が、1949年にはトリヘキシフェニジルの治療報告が行われている。L-ドパ(レボドパ)は1913年には既に精製単離されていたが、1950年代後半から脳内、特に線条体でのドパミンの存在と、その低下がパーキンソン病で見られる事が報告されると、1960年代にレボドパと使った実験・試験が始まり、その効果が明らかになった。

1987年にスウェーデンのルンド大学のオーレ・リンドヴァールたちが、中絶胎児からとった中脳の一部の細胞を、パーキンソン病患者の線条体へ移植する臨床研究を行った。彼らは細胞移植によりパーキンソン病の脳機能の回復が起こったと報告している。数体の中絶された胎児から細胞を採取する必要がある為、その理論的な問題性と中絶された胎児を数体同時に入手するのが困難な為、治療法としては確立していない。しかし、近年進められているiPS細胞の開発が細胞の確保を可能にしつつある。



パーキンソン病ケアプログラム

2019年3月19日火曜日

パーキンソン病とは?


パーキンソン病(Parkinson's Disease)は、手の震え・動作や歩行の困難など、運動障害を示す進行性の神経変性疾患である。進行すると自力歩行も困難となり、車いす生活を余儀なくされたり寝たきりの生活になる場合がある。40歳以上の中高年の発症が多く、特に65歳以上の割合が高い。

錐体外路症状(すいたいがいろしょうじょう)を呈し、アルツハイマー病と並んで頻度の高い神経変性疾患と考えられている。日本を含む多くの国や地域では難病(特定疾患)に指定されている。本症以外の変性疾患などによりパーキンソン病症状が見られるものをパーキンソン症候群と呼ぶ。

パーキンソン病ケアプログラム


2019年3月7日木曜日

患者数・患者調査・疫学


パーキンソン病は、10代~80代まで幅広く発症するが、中年以降の発症例が多く、高齢になるほど発症率及び有病率は増加する。20代の発症は稀である。40代以下で発症した場合を若年性パーキンソン病と呼ぶが、症状事態に大差はない。日本における有病率は10万人当たり100~150人と言われる。欧米では10万人当たり300人と見積もられている。

明らかな人種さや地域差があるかは不明であるが、白人と比べてアフリカ系アメリカ人の発症率は4分の一程度、アジア人の場合は三分の一程度とする資料もある。日本での有病率は増加傾向にあり、

1.高齢化に伴うパーキンソン病そのものの増加
2.診断率の向上
3.治療の進歩による患者の寿命の延長による

と言う説がある。一方、年齢調整後の発症率・有病率は依然とほぼ変化がないとする報告もある。性差については、アメリカでの研究やオランダからの報告などにより、欧米では男性が多いとされている。しかしながら、日本ではどの調査でも女性が多いとの報告がなされており、この違いの理由はいまだに解明されていない。

厚生労働省の2012年の患者調査では、パーキンソン病患者数は12万人となっている。また厚生労働省特定疾患医療受給件数の統計によれば、2011年度の受給件数は116,536件であり、全特定疾患中、腫瘍性大腸炎に次いで多い。

なお、2003年10月よりパーキンソン病関連疾患として本疾患に進行性核上性麻痺と大脳皮質基底核変性症を合わせたものになった為、現在では本疾患の正確な人数を反映する数値ではなくなっている。また特定疾患受給の要件として、ホーン・ヤールのスケールのステージ3以上が目安となっている為、実際の患者数はより多いものと予想される。


パーキンソン病ケアプログラム